2019/02/04

2019.2.3

 スーパーで山ほど売られている大豆を一袋手に取って、買い物を続ける。同じく山のように積まれた恵方巻きもカゴに入れたら、今日の晩御飯は決まりだ。
 節分。鬼を祓い、福を招く、季節の節目を無事に過ごすための儀式。それをすっかり、イベントかなにかのように誤解した私たちは、こうやってプロパガンダに乗せられまんまと豆と恵方巻きを買っている。恵方巻きは好きではないのに、買ってしまうのはそのせいだろう。
 晩御飯以外にも消耗品を買い足して回っていると。バレンタインコーナーの隣にひなあられが置いてあるのに気付く。先回り先回りして売っていくその商売根性には、毎度毎度呆れてしまう。そんなものだと思いながら、そんなに生き急がなくてもと思うのだ。
 常に行事ものを欠かさずに入れ換えていくスーパーの季節感のちゃんぽんは、それはそれで味があるけれど、疲れたときに見るとなんだか参ってしまうのも困りものだった。
「ゆっくりいきましょ」
 仕事で常に生き急ぐことを強要されている分、プライベートくらい時流から離れないとそれこそ目が回ってしまいそうだ。
 ケーキをカゴに入れて、レジに向かう。ゆっくりしたいから、少し戻ってクリスマスにしてみようと。カゴに入れられた大豆と恵方巻きとケーキに、結局季節のちゃんぽんになってると一人で笑った。

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