2019/04/22

2019.4.22

「はぁぁ……もーやだ……」
 大きくため息をついて、ベッドに寝っ転がる。今日は散々だった。あまりにも疲れていたから、友達の誘いも断って帰ってきてしまった。
 今日は朝からついてない。携帯は忘れるし、痴漢には遭うし、宿題忘れて怒られるし、お弁当には箸がないし、うっかり階段踏み外すし、帰りには鳩にフンを引っ掛けられた。
 次から次へと不運が重なってくたくただった。帰ってきて早々にお風呂に入って、今日はもうこのまま昼寝しようかな、とうとうとする。あんまり長く起きてるとさらに嫌なことが重なりそうだった。
 それに、今日は追ってるバンドの当落の日だ。気分を切り替えないとライブに落ちて止めを刺されそう。運が悪い日ってなんでこう、極端に悪いんだろう。
 ため息をもう一度ついて、もぞもぞと布団に潜る。少し早い五月病なんだ、多分。運が。
 そう思い込んでまぶたを閉じたとき、携帯のバイブレーションで目を開ける。
 ――――来た?
 ライブの当落。正直見るのが怖い。ここまで運が悪い今、携帯を開けて大丈夫なのか。
 ごくり、と息を飲む。
 でも、結果が気になったまま眠るなんてできない。そっと携帯を開いて、メールを思いきって開ける。
 結果は。
「――――…………やったー!?」
 画面を開いて現れたのは、当選通知だった。
 まさか、今日の不運はこのためだった? なんて舞い上がって体を起こす。何回読み直しても、間違いなく当選している。
 うれしい。うれしいうれしいうれしい!
「やったー! DVD見直そっと」
 これまでの疲れも吹き飛んで、浮かれ気分でリビングに行く。終わりよければ全て良し、っていい言葉だなぁ。
「…………っいったぁ!!」
 扉に小指ぶつけなかったら、本当にいい日なんだけどなぁ。

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