2018/12/01

2018.11.11

 11月11日。なんとなくお菓子業者の策略に乗せられて、ポッキーを買ってしまう日。わたしも例に漏れず、弁当を買うついでに買ってしまっていた。
「ポッキーと言えばさぁ、ポッキーゲームじゃん」
「んー? うん」
「あれ実際やる人いんのかな」
 ぱきり。放課後にだらだらとポッキーを食べながらぼやいてみる。スマホをいじっている友人は顔も上げずに答える。
「あたし見たことあるー」
「え、どこで?」
「テレビ」
「それはノーカンじゃん」
 テレビに出てくる人なんか企画されたらやるしかない。
 わたしが知りたいのは個人的にやる人がいるかだ。ポッキーゲームなんてものをやる奇特な人間がいるのかが知りたいわけで。
「やっぱり恋人とかがいたらやるのかな」
「そりゃやるんじゃない?」
「素直にキスしときゃいいのに」
「やるってことに意味があるんでしょ」
 机に置いていた袋からポッキーを一本取り出して、彼女は咥える。
「やってみればなんかわかるんじゃない?」
 面食らったわたしは、慌ててそのポッキーを奪う。わたしのポッキーでなにをしてくれてるのだ。そのままポッキーを貪り食って、鞄を取って立ち上がる。
「ばーか!」

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